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​西国三十三観音
33 Kannon Amulet in Saigoku

​2022 / 370×370mm / 33pieces / Ink,paper / silk-screen printing

 骨董屋で見つけた掛軸には、西国三十三観音像巡りで頒布された古い御札が貼り付けられていた。ブレやかすれ、インクの滲みは一枚一枚が手で摺られたことを物語っている。長い年月掛けられてれていたのだろうか、煙にいぶされて黒ずみやシミが生じて像が判別できないものもある。こういった痕跡から、かつてそこにいた人々の存在を感じ取ることができる。頒布された御札の数、そしてこの掛軸の前でささげられた長い祈りの時間、時と共に薄れてていく信仰を、膨大なインクの層と崩れていく造形によって表そうとした。

 まず、経年の劣化によって判別できない像を、過去の史料や現在頒布されている御札を参考に復元する作業から始めた。分からないところは、自分の想像で補った。何百回と摺っていると、摺るという行為自体が祈りに似ているのかもしれないと思うようになった。

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